愉悦の音楽 ― これぞ逸品!何気ない旋律に隠された熟練の技
タイトルの「ビーダーマイヤー」とは、家庭の団欒や身の回りの食器や家具などに関心を向け、簡素で心地よいものを好み、日常的な生活に喜びを見い出すといった、19世紀前半のドイツやオーストリアを中心に流行した風潮のこと。このアルバムでは、当時活躍した2人の作曲家、ジュリアーニとシューベルトの作品に焦点をあて、その作品を瀬尾と松尾が温かい音色で描き出しています。マウロ・ジュリアーニはウィーンで活躍した南イタリア出身の作曲家。数多くのギター作品を残し、ギターという楽器の地位と、演奏技術を確立したことで知られています。現代、彼の作品を耳にする機会が少ないのは残念ですが、アルバムに収録された2つの「協奏大二重奏曲」を聴けば、その魅力に開眼する人も多いことでしょう。2人の奏者は持てる技術を最大に駆使しながらも、決して競うことはなく親密な空気を醸し出しています。かたや親しい友人たちとの交流をことのほか大切にしていたシューベルト、彼の作品はまさに「心の喜び」を見出すのにふさわしいものばかり。このフルートとギターで奏されるアルペジョーネ・ソナタでは、2つの楽器の音色が溶け合い、絶妙な雰囲気を醸し出します。余韻深いセレナーデも聴きどころ。「身の回りのものに喜びを見い出すこと」は、今の時代にも共通することであり、この素晴らしいアルバムからも、大きな喜びを見い出すことができるのではないでしょうか? (NAXOS JAPAN)
TRACK LIST
1-3.
Mauro Giuliani (1781-1829)
マウロ・ジュリアーニ (1781-1829)
Gran Duetto Concertante, Op. 52
協奏大二重奏曲 作品52
4-6.
Franz Schubert (1797-1828)
フランツ・シューベルト (1797-1828)
Arpeggione-Sonate, D 821
アルペジョーネ・ソナタ D 821
7-10.
Mauro Giuliani (1781-1829)
マウロ・ジュリアーニ (1781-1829)
Grand duo concertant, Op. 85
協奏大二重奏曲 作品85
11.
Franz Schubert (1797-1828)
フランツ・シューベルト (1797-1828)
Schwanengesang, D 957: Nr. 4, Ständchen
セレナード D 957
ARTISTS
Flute
Kazunori Seo
瀬尾 和紀
Guitar
Shunsuke Matsuo
松尾 俊介
DATA
Recording
17-19 November 2020 / Sagamiko Community Center, Kanagawa prefecture, Japan
2020年11月17~19日 / 神奈川県立相模湖交流センターホールにて収録s
2020年11月17~19日 / 神奈川県立相模湖交流センターホールにて収録s
Producer
Kazunori Seo / 瀬尾 和紀
Recording engineer
Kotaro Yamanaka / 山中 耕太郎 (Rec-Lab)
Release
30 July 2021
Recording format
24bit / 176.4kHz
Media format
CD-AUDIO & DIGITAL
Barcode
4589538693008
Label
Virtus Classics, VTS-010